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ユニークな日本の音楽産業

2015/04/15

今年の世界知的所有権の日のテーマは「起きろ、立ち上がれ。音楽のために。」(Get up, stand up. For music.)です。そこで、WIPO日本事務所は、 日本の音楽産業のユニークな側面、そのユニークさを作り上げた知的財産制度及び、今後の課題について取り上げてみました。

様々な貢献

考古学的証拠が示すように、音楽は人類の 初期の頃から存在しており、楽器は 何千年もの長い間、個人、社会そして文化を表現する一つの手段として用いられてきました。音楽が私たちに与える影響力を 無視することはできません。他国と同様に、日本の音楽も独特で長い歴史を有しています。演歌をはじめ、日本の 伝統的な楽器である琴から、技術を駆使して 10万曲以上も合成したクリエーター達によって生み出されたホログラフィックポップスターまで、音 楽は日本の文化と経済に様々な形で重要な貢献をしています。

琴(弦楽器)は日本の伝統的な楽器のひとつです (写真提供: Flickr/Martin Tod)。

テクノロジーの進歩

過去数十年の間にテクノロジーは、音楽を創造し、記録し、保存しそして配布するのに全く 新しい方法を生み出し、それらは音楽産業に変革をもたらしました。多くの国で、ほぼすべての自宅、カフェや公共スペースで高速インターネットアクセスが最近では、一 般的なものとなり、 多くの変化がもたらされ、その結果、アーティスト達は新たな課題に直面しました。合 法的に音楽をワンクリックで取得する手段が十分普及していなかったこともあり、違 法コピーがワンクリックで取得可能となったため、世界の多くの市場で物理的なメディアの売り上げが 2002年から減少し続け、音楽の新しい配布手段が必要となりました。

これらの手段には、デジタル形式での販売やオンラインミュージックストリーミングといったものがあり、一部の市場では、それらの売り上げは増加し、対照的にCDの売上げは減少しました。しかしながら、世 界の主要な音楽市場の中で、日本ではなぜか、まだCDの 販売が続いています。この状況を 奇妙に感じる方もいらっしゃるかもしれません。日本の音楽産業や文化のユニークな側面が、長 い間CDが愛され続けてきた理由を説明するためのヒントを与えてくれます。

ユニークなビジネスモデル

日本では、映画などのレンタル店、多くはチェーン店ですが、すべてのジャンルをカバーしたCDの陳列を見つけることができます。これらのCDの多くは販売目的で陳列されているわけではありません。こ れらはレンタル用のCDです。これは日本の著作権制度のユニークさを示す一例ですが、1984年の著作権法改正によって 合法的にCDをレンタルすることができるようになりました。実際、日本におけるCDが継続的に売れるのはこの レンタルに起因していると主張する者もおり、 比較的安定した市場となっています。

さらに、同じ店内での新作CDの価格にも驚くかもしれません。新作のCDは2,500円(21米ドル)よりも安く販売されることはごく稀です。 販売価格の制限により値引きが少しであるにもかかわらず、CDが売れています。加えて、日 本の音楽産業は他の市場よりもずいぶん古くから(アーティストを中心とした全ての分野でビジネスを展開する) 360度ビジネスモデルを構築しています。 典型的な360度ビジネスモデルでは、レコード会社はアーティストに前払い金やその他の援助を提供し、アーティストはコンサート、出 版やメディアへの露出といった様々な知的財産の活用で得られた総利益から一定の割合の金額をレコード会社に支払います。この360度ビジネスモデルは海賊版による被害が 顕著な地域でより多く用いられる傾向があるものの、このビジネスモデルはCDの売上げが減少する中、レ コード会社が日本において収益性を維持することを可能としています。& amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; amp; lt; /p>

また、アーティストが定期的にファンと会い、サインをし、撮影のためにポーズをとるなどして 購入意欲を増大させる「握手会」を開催するなどといったレコード販売店側の努力も見過ごすことはできません。J-POP(日本の歌謡曲) のジャンルでは、 よく売れている曲はアイドルが歌うもので、そのようなイベントにより、アイドルは若い世代に受け入れられています。

他の市場では廃れてしまったCDをなぜ日本の消費者は未だに購入し続けるのかについては、文化的な側面から説明することもできます。たとえば、日本では、アーティストが豪華なジャケット、写 真集や限定のミュージックビデオなどの異なる特典を付した 異なるバージョンの同一楽曲のアルバムを販売するのが一般的です。物品の収集を 楽しみとする人の多い日本では、このような販売方法がCDの売り上げに貢献しています。

CDレンタルのような革新的なビジネスモデルは、日本のレコード店が経営を続けられる理由の一つです (写真提供: WIPO 日本事務所)。

将来を見据えて

これら日本の音楽産業のユニークな側面は、アーティスト、プロデューサー、実演家が継続的に彼らの知的財産を保護し、彼らの創作に対する適切な対価を得るのに十分なのでしょうか?世 界第1位となる可能性も秘めている世界第2位の規模を誇る日本の音楽産業は、他の市場よりも多くの物理的なメディアを販売し続けることに成功し続けていますが、近年、デジタル配信も 含めた全体的な売り上げは 減少しています。多くの日本のアーティストが アジアの国で成功しています。しかし、日本音楽産業の専門家らは、日本の音楽産業が引き続き成長していくためには、日本のアーティストをもっと 海外に進出させ、海外のアーティストをもっと日本に呼び込む(日本での売り上げに占める外国人アーティストの売り上げはたったの 20%)しかないと主張しています。

他の専門家らは、日本のアーティストが> ライブショーの回数を増やしたり、ライブショーを利用して限定版CDや関連グッズの販売を促進する動きが高まっていると指摘しています。デ ジタル配信が今後数年で主流になろうとし、同時にCDの販売が脅かされている中、国際的な音楽産業の専門家らは、日本の音楽産業が成長し続け、知的財産が十分に尊重され、ア ーティストの創造性がより多くの聴衆に届くようにする唯一の方法は、デジタル革命を完全に取り込みつつ日本のユニークさを維持することであると 指摘しています